性器カンジダ症とは
性器カンジダ症はカンジダという私たちの周りにいる常在菌によって引き起こされる病気です。特に膣におけるカンジダ症は約5人に1人の女性が経験する程ポピュラーな病気になっています。性器カンジダ症(膣カンジダ症)は主に風邪やストレス、寝不足、疲労などによって体力が落ちた時に症状が出てきます。男性もカンジダ症を発症させますが、特に女性に多い病気です。
性器カンジダ症の症状
女性
- 陰部の痒み
- おりものの増加
- 白く濁ったおりもの
- おりものの悪臭
膣カンジダ症の場合は「外陰部が痒い」「おりものが増える」「おりものが白く濁る」「おりものが臭う」といった症状が見られます。特に痒みが強く出るのが特徴的で、時にずきずきするような痛みが現れることもあります。
また、おりものの変化もカンジダ症の症状の特徴で、おりものが白く濁ったり、酒粕や粥、ヨーグルトなどと表現されるような独特のおりものへと変化が見られます。それら以外には膣がヒリヒリしたり、刺激に敏感になったり、膣の外部皮膚の発疹や発赤、排尿時の痛みや性行時の痛みなどが見られます。
男性
- 陰茎の痒み
- 亀頭から包皮が赤くなる
- 白いカスが出る
カンジダ症は女性だけではなく男性にも見られます。男性の性器カンジダ症の症状としては、「亀頭から包皮にかけての痒み」「発赤」「恥赤の増加」などが見られます。ただ、男性の場合は性器にカンジダ菌を保有していても症状がほとんど出ないことが多いです。
性器カンジダ症の原因(感染経路)
カンジダ
性器カンジダ症(膣カンジダ症)はカンジダという真菌に感染することが原因です。カンジダは膣や外陰部、皮膚、消化管など私たちの周りに存在している常在菌です。健康的な状態であれば性器カンジダ症を発症させることはありませんが、風邪や体調不良、ストレス、生理などによって免疫力が低下してしまうことでカンジダが異常増殖することによって性器カンジダ症が発症します。
性器カンジダ症は女性に多い病気ですが、これは男性の性器が常に外気に触れて乾燥しておりカンジダ菌が増殖しにくい環境であるのに対し、女性の膣内はカンジダが増殖しやすいことが影響しています。特に女性は黄体期や妊娠中、ピルを服用している時にカンジダ症になりやすいと言われています。これは黄体ホルモンであるプロゲステロンが膣内のグリコーゲンを増やし、グリコーゲンが増えることでカンジダが増殖しやすい環境になるためです。
自己感染
カンジダ症は自己感染による発症がほとんどです。カンジダに感染しただけではカンジダ症は起こりません。何らかの原因によって免疫力が下がってしまったことでカンジダが異常増殖してしまいカンジダ症を発症させてしまうのです。そのため、カンジダ症はほとんどが免疫力の低下における自己感染が大部分を占めることになります。
カンジダは健康的な人でも持っている常在菌ですが、風邪、疲労、ストレス、ホルモンの変化、抗生物質の投与、妊娠、糖尿病などにより免疫機能が低下して発症するため性行為をしていなくても突如発症する病気です。
性行為
性器カンジダ症は性行為によって感染することもありますが、性行為が原因で感染することはそれほど多くはありません。性行為におけるカンジダ症の感染は全体の約5~10%程と言われています。ただ、風邪やストレス、生理による免疫力の機能が低下してしまっている状態で性行為を行うとカンジダ症を発症させる可能性が高まってしまいます。ちなみにカンジダ症の原因となる性行為はあらゆる性行為が原因となります。セックス、オーラルセックス、アナルセックスなどあらゆる性行為が原因となります。
性器カンジダ症の検査
性器カンジダ症の検査は男性の場合は亀頭周辺に存在する菌を綿棒で採取する事で、その検体を検査を行います。一方の女性は膣の分泌物であるおりものを採取して、検査を行います。性器カンジダ症は、男性の場合はカンジダは性交渉後にシャワーで洗い落とすことで感染することはほとんどなくなるため、検査を受ける人はほとんどが女性です。女性の場合は男性と違って性器が外に出ていないためカンジダを洗い落とすことが出来ず感染してしまう可能性が高いのです。
性器カンジダ症の治療方法
性器カンジダ症(膣カンジダ症)の治療はオキシコナゾール硝酸塩などの抗真菌薬が良く使用されます。一般的に1から2週間程、膣錠、膣坐薬、軟膏、クリーム、経口錠といった抗真菌薬を使用することで治療を行います。ただ、カンジダ症は症状が軽ければ自然と治ってしまうことも多い病気です。また、免疫力の低下によってカンジダの異常増殖が起こりカンジダ症を発症させることになりますが、免疫力が高まることでも自然と治ってしまうことが多いのです。ただ、一度治ってもカンジダは膣や性器に存在する常在菌ですので、再発しやすいのも特徴もあります。